新聞記事

先月をもって、大乗寺の障壁画で、圓山応挙が描いた孔雀、芭蕉、山水の間が収蔵庫に納められるとともに複製の公開がはじまりました。そのときの記事です。

http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20090402ddlk28040555000c.html

円山応挙:障壁画複製公開 デジタル技術で64面再現−−香美・大乗寺 /兵庫

 香美町香住区森の大乗寺(長谷部真道住職)で1日、デジタル技術で再現した円山応挙の障壁画の複製の公開が始まった。

 障壁画は江戸時代中期、大乗寺の中興の祖、密蔵・密英上人が制作を依頼し、応挙とその一門が描いた。165面すべてが国重要文化財に指定されている。

 複製が完成したのは応挙による客殿の金碧障壁画47面と、その裏面の一門による17面。愛知県立芸術大学の吉本弘名誉教授と最先端のデジタル技術を持つ大日本印刷の協力で事業を進めてきた。制作費は約1億3000万円という。

 これまでは廊下からのぞき込むしかなかったが、今後は飾られた複製を室内でゆっくり見ることが出来るようになる。長谷部住職は「すばらしいものができた。燦然(さんぜん)と輝き、ありがたいです」と喜んでいた。

 4〜12日は香美町民に無料公開する。町民以外は拝観料が必要。問い合わせは大乗寺(0796・36・0602)へ。【竹花義憲】
〔但馬版〕

http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20090401-OYT1T00738.htm?from=navlp

応挙よみがえる輝き…障壁画64面をデジタル複製

 江戸中期の画家・円山応挙(1733〜95年)ゆかりの兵庫県香美町大乗寺が、応挙とその弟子らが手がけた障壁画165面(重要文化財)のうち、64面をデジタル技術で複製し、1日、公開した。金箔(きんぱく)の上に繊細に表現された人物や松などが、当時の輝き、色彩でよみがえった。

 応挙は、同寺住職に才能を見いだされ、援助を受けて絵を学んだ。障壁画は恩返しにと、弟子とともに客殿のふすまに制作したとされ、寺が愛知県立芸術大の吉本弘・名誉教授と大日本印刷に複製を依頼した。

 今回は、応挙が唐の将軍と孫が遊ぶ光景を描いた「郭子儀図(かくしぎず)」や「松に孔雀(くじゃく)図」、「山水図」の計47面と弟子作17面のデータを読み取って高精度印刷で再現。1億2400万円をかけ、4年がかりで仕上げた。

 長谷部真道住職(70)は「江戸時代の人が見た応挙の世界を、当時の色彩のまま、堪能してもらえる」と話している。寺はオリジナルを収蔵庫で保管、残りの障壁画の複製を進める。
(2009年4月2日01時08分 読売新聞)


http://www.47news.jp/CN/200904/CN2009040101000233.html
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20090401STXKD013901042009.html

円山応挙の障壁画、鮮やかに複製 兵庫の寺、最新技術駆使

 江戸時代中期の画家、円山応挙が多くの作品を残し「応挙寺」とも呼ばれる大乗寺兵庫県香美町)が4年がかりで複製した障壁画が完成し1日、一般公開された。印刷会社の最新デジタル技術を駆使し、描かれた当時の鮮やかな色合いを再現した。

 複製したのは、いずれも国の重要文化財に指定されている「孔雀の間」「芭蕉の間」など3部屋の金箔張り障壁画計47面など。約1億3000万円かかったという。

 障壁画は、大乗寺の住職から資金面などで支援を受けた応挙が、恩返しとして描いたとされる。

 複製画は原画の代わりに各部屋に設置され、原画は収蔵庫で保管する。これまで拝観客は廊下から絵を見ていたが、今後は部屋に入って間近で見られるようになる。
2009/04/01 10:25 【共同通信

http://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/0001789693.shtml

円山応挙のふすま絵、デジタル駆使し複製 香美町で公開 

 写生派の祖として知られる江戸時代の画家円山応挙(一七三三-一七九五年)の作品が多く残る大乗寺兵庫県香美町香住区森)が、四年がかりで複製したふすま絵などが完成し一日、原画と入れ替えられ公開が始まった。最新のデジタル技術を駆使し新たな芸術作品として生まれ変わった。

 同寺は、応挙とその弟子による国重要文化財百六十五点を収蔵し、「応挙寺」の名で親しまれる。作品の保存と劣化防止を目的に、同寺は原画の複製作業を進めていた。高画質のデジタル写真を修整する方法で行われ、難しいとされる金箔上への印刷技術を開発した東京の企業などが印刷を担当した。

 今回、第一期分として完成したのは、「松に孔雀図」「山水図」など応挙の四十七点と弟子による十七点の計六十四点。

 これまで拝観客は廊下から絵を眺めていたが、今後は部屋に入って間近で観覧できる。原画は収蔵庫で保管される。

 監修した愛知県立芸術大の吉本弘名誉教授は「高い技術に支えられ、応挙の精神をくみ取り、印刷でも新たな芸術空間を創作できた」と話し、長谷部真道住職は「単なる複製でなく、新たな作品を創造した“再製”」と笑顔を見せた。(小日向務)

http://www.nnn.co.jp/news/090405/20090405034.html

応挙の複製画無料公開 香住・大乗寺が町民に
2009年04月05日

 兵庫県香美町香住区森の大乗寺(長谷部真道住職)で四日、香美町民を対象にした無料の「デジタル再製画町民一般公開」が始まった。十二日まで。

 円山応挙の障壁画で有名な同寺は、原画保存のため高精細なデジタル印刷技術を駆使した複製画を作成した。これらの事業費は町と多くの町民の寄付などで賄ったことから、今回の公開は町民への感謝の気持ちを込めて企画した。鑑賞を希望する人は、身分証明書の提示か記帳が必要。開場は午前九時−午後四時(入場は午後三時四十分まで)。

 同寺では、原画の一般公開も五月三−六日の四日間行う。

 同町村岡区から訪れた男性会社員(58)は「外の光の変化によって見え方が違う。間近で鑑賞できて素晴らしい」と感動していた。