無量寺

別の話題ですが、無量寺でもデジタル再製画が作られるそうです。どうなることでしょう。
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=235111&lindID=4

大日本印刷和歌山県・錦江山無量寺の「障壁画デジタル再製画」事業を実施

無量寺串本応挙芦雪館開館50周年記念事業
円山応挙長沢芦雪障壁画デジタル再製画」事業概要


 錦江山無量寺和歌山県串本にある臨済宗東福寺派の別格寺院です。別名“芦雪寺”ともよばれ、江戸中期を代表する画家円山応挙の二哲の一人、長沢芦雪の「虎図」をはじめ、応挙・芦雪の作品を多数所蔵する寺院として知られています。

 天明6年(1786)当時の住職、八世・文保愚海和尚が入寺後十数年の辛苦の末、宝永4年(1707)の大津波で流失した寺を現在地に再建しました。その際愚海和尚と修行時代より親交のあった円山応挙の縁で応挙と高弟芦雪の手による方丈障壁画が揮毫されました。応挙と芦雪の作品は、その後の自然災害、時には戦火の中を歴代の住職、地域の人々の努力によって220余年の永きに渡り、脈々と守られてきました。昭和36年当時の住職、十八世・湊素堂老師(建長寺建仁寺両派前管長)の発願、地域の全面的な協力を得て当時では非常に稀有な寺院境内の美術館「串本応挙芦雪館」を開館、平成2年には国・県・町の補助を得て収蔵庫を建設、国指定重要文化財として現在も手厚く保護されています。

 今般、無量寺では串本応挙芦雪館開館50周年(平成23年11月)記念事業の一環として、応挙・芦雪障壁画のデジタル再製画を方丈に収め、応挙・芦雪の意図した宗教的空間を蘇らせる事業を開始いたしました。先人の弛まぬ努力で守られ継承されてきた障壁画が、現在最高水準のデジタル再製画技術で再製され、荘厳な方丈の絵画空間として現代に蘇ります。

 事業費用は当事業にご賛同いただいた紀州にゆかりのある事業家、有限会社井内盛英堂 代表取締役井内英夫氏の寄進によるものです。監修は『奇想の系譜』で因襲の殻を打ち破った自由で斬新な発想の絵師、芦雪や若冲を前衛として評価を行った美術史家で、MIHO ミュージアム館長の辻惟雄先生(略歴・別紙)にお願いいたしました。障壁画制作は東京国立博物館・応挙館、銀閣寺、大徳寺・聚光院、“応挙寺”で著名な兵庫県香住の大乗寺など、国宝級のデジタル再製画制作の実績を数多く有し、最高レベルの技術を持つ大日本印刷株式会社に依頼いたしました。

 大日本印刷株式会社は約10年前から日本絵画の基礎研究、表現手法研究、画家の思想や絵画空間演出などの研究、環境条件の科学的調査、更に調査に基づく素材開発・評価を経て、最高レベルの再現性・耐久性を維持できるデジタル再製画技術を開発。さらには従来不可能とされてきた金箔上への印刷再現(特許取得技術)だけでなく、障壁画・屏風・掛軸さらに天井画・杉戸絵などの木材に直接再現を可能にする技術も開発されました。前出以外の著名寺院も数多く手掛けられており信頼と実績は随一です。

 本事業により無量寺再建当時の応挙・芦雪の意図した絵画空間を体感していただけるほか、様々な照明や角度での鑑賞、方丈での演奏会・茶会等、デジタル再製画ならではの新たな鑑賞方法も体験していただけます。また、本事業におけるもう一つの重要な意義は、デジタル再製画によって絵画空間を蘇らせただけでなく、原本の撮影データとデジタル再製画用データを精緻なデジタルデータとして劣化させることなく未来へ手渡すことです。
 「保存」と「公開」という相反する命題に翻弄され続ける文化財にとって、その両方を一歩も二歩も前進させるきっかけとなる事業と言えるでしょう。

※添付の関連資料【別紙1】を参照
 ・参考:無量寺について
 ・参考:長沢芦雪について
 ・参考:監修者略歴

※添付の関連資料【別紙2】を参照
 ・錦江山無量寺方丈障壁画デジタル再製画 技術説明概要

※添付の関連資料【別紙3】を参照
 ・無量寺方丈障壁画デジタル再製画制作の作業工程